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ネットショップ運営に必須! 特定商取引法の基礎知識を弁護士が解説

2019年10月10日
  • 一般企業法務
  • ネットショップ
  • 特定商取引法
ネットショップ運営に必須! 特定商取引法の基礎知識を弁護士が解説

総務省の「家計消費状況調査」によれば、平成28年に2人以上世帯においてネットショッピングを利用した割合は27.8%、月間支出総額は30678円となっています。

利用者が増えてきていることもあり、これからネットショップを開業しようと考えている方は多くいらっしゃるでしょう。しかし、ネットショップを開業する前に、関連する法律について知っておく必要があります。中でも「特定商取引法」については、まず押さえておくべき法律といえるでしょう。

本コラムでは、ネットショップ運営に関する特定商取引法について、概要や違法行為、処分内容などを川崎市の弁護士が解説します。

1、ネットショップ運営者は特定商取引法を知ろう

ネットショップ運営者が知っておきたい特定商取引法の概要や、よくある疑問を解説します。

  1. (1)特定商取引法とは

    特定商取引法とは、いわば消費者を守るために作られている法律です。消費者が事業者との間の取引において誇大広告や押し売りなどによる被害に遭わないよう、訪問販売や電話勧誘販売など、消費者トラブルが生じやすい7つの取引類型について定めています。

    ネットショップの運営は、特定商取引法に定められた取引類型のうち、「通信販売」にあたります。運営する以上、知らなかったでは済まされません。確実に押さえておく必要があります。

  2. (2)特定商取引法に基づく表記とは

    ご自身が消費者の立場でネットショップを利用する際、「特定商取引法に基づく表記」というページを見たことがないでしょうか。特定商取引法第11条では消費者にとって必要な情報の公開を義務づけています。

    たとえば次のような項目について、記載を行わないままネットショップを運営すると、特定商取引法違反として罪に問われる可能性があります。

    • 商品や権利の販売価格、引き渡し時期
    • 代金の支払い時期や方法
    • 返品に関する情報
    • 代金や送料以外に負担するべき金銭の内容と額
    • 販売者の氏名、住所、電話番号
  3. (3)必要な情報を提供することの意味

    ネットショップ運営者が特定商取引法に基づいた情報を提供することは、消費者との不要なトラブル回避に欠かせない、最初のステップといえます。また、法を順守する運営を行うことによって、店舗そのものの信頼性を上げることにもつながります。つまり、必要な情報をあらかじめ公開しておくことで、ご自身がネットショップを運営するにあたり、身を守るだけでなく収益性を高めることにもつながるわけです。

    たとえば、ご自身が消費者として商品を探しているとき、販売者や商品の詳細、価格などが不明瞭であれば、購入をやめてしまうのではないでしょうか。また、商品に不具合があった場合に問い合わせる先が不明瞭であれば、だまされた気分になる方も多いでしょう。二度とそのネットショップを使わないようにするどころか、実際に詐欺だと騒がれてしまう可能性も考えられます。

    消費者保護の観点はもちろん、事業者にとっても特定商取引法を守ることは有益であるといえます。

  4. (4)個人情報を必ず載せる必要がある?

    特に個人の方においては、販売者の氏名や住所などの表示に抵抗感を持つかもしれません。しかし、個人とはいえネットショップを営む以上、立派な経営者となります。これは個人情報を開示するのではなく、事業者の責務とも言えます。ネットショップを開業するのであれば、原則として特定商取引法に基づいた情報を公開しないという選択はできないということです。

    自宅マンションの1室で事業をされる場合には、その部屋番号まで掲載する必要があります。対策としては、事業用に電話回線を引く、オフィスを借りてそこで事業を営むなどの対応が考えられます。

2、特定商取引法に違反するとどうなるのか

特定商取引法に違反すると、次のような処分を受けるおそれがあります。

  1. (1)必要な措置についての指示

    主務大臣から、必要な措置を講じるよう指示を受けることがあります。たとえば、違反があった旨を公示する指示、違反行為の原因検証と報告指示、表示の裏付けとなる合理的な資料提出の求めなどがあります。

  2. (2)業務停止命令

    行政処分のひとつであり、業務の一部または全部を停止する命令をいいます。停止期間の最長は2年です。

  3. (3)業務禁止命令

    業務停止命令を受けた法人の役員などが、その処分を免れるために別の法人を設立し、実質的には事業を継続させることを禁止する命令です。平成28年の改正によって創設されています。

  4. (4)罰金、懲役

    違反内容によっては、罰金や懲役を科されることがあります。たとえば、指示命令に違反すると、個人の場合は「6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金」、法人の場合は「100万円以下の罰金」です。

    そのほか、業務停止命令に違反すると、個人は「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」、法人は「3億円以下の罰金」です。

3、特定商取引法違反にあたる行為の1例

特定商取引法では、具体的にはどのような行為が規制されているのでしょうか。

  1. (1)虚偽・誇大な広告の表示

    特定商取引法第12条では、虚偽や誇大広告の禁止を定めています。当然のことのように思うかもしれませんが、ウソや大げさすぎる内容を掲載した広告によって購入を促すことで処分を受ける可能性があるということです。

    誇大広告禁止に違反した事例を紹介します。平成30年12月、デオドラントクリームを販売していた通信販売業者が、誇大広告の禁止に違反したとして、3ヶ月の業務停止命令および役員の業務禁止命令を受けました。主な違反行為は次のとおりです。

    • 合理的な根拠を示す資料に基づかず、「ニオイの原因菌99.9%殺菌!」「殺菌効果72時間持続」などと、消費者を誤認させるような表示を行った。
    • 「本日限定sale終了まであと〇時間○分○秒」などとうたっていたにもかかわらず、実際には時間的な制限がなく常に同じ価格で販売していた。


    誇大広告に違反すると、事例のように業務停止命令、業務禁止命令を受けることや、100万円以下の罰金となることがあります。

  2. (2)顧客の意に反して契約の申し込みをさせようとする

    特定商取引法第14条では、顧客の意に反して売買契約の申し込みをさせるような行為をした場合には、主務大臣が必要な措置をとるべきことを指示することができると定めています。

    たとえば、化粧品や健康食品などを販売する際、定期購入を条件に初回料金を通常価格よりも安い価格で販売することがあるかもしれません。しかし、ホームページ上の表示において、定期購入契約であることがわかりにくく、あたかも単体販売における価格であると消費者が誤認させるような広告を行うケースを散見します。この場合、見やすい場所に定期購入契約の主な内容が全て表示されるなどして、契約前の段階で消費者に定期購入契約であることを認識させなくてはなりません。もし特定商取引法に違反したとみなされれば、前述の処分を下される可能性があるでしょう。

4、ネットショップ運営を弁護士へ相談するべき理由

ネットショップ運営には今回紹介した特定商取引法のみならず、景品表示法や電子契約法など、複数の法律が関わってきます。扱う商品によっては、行政の許可が必要となるだけでなく、ECモールなどを利用して出店される場合には、モールの規約や契約内容を理解する必要があります。

ネットショップを運営する際は、念のため、弁護士によるアドバイスを得ておくことをおすすめします。何の知識もないままに違法行為や規約・契約違反をしてしまえば、行政処分や刑事罰を受けたり、損害賠償請求をされたり、出店できなくなったりするリスクがあるでしょう。

あらかじめ弁護士に確認しておくことで、法律や規約・契約に沿った適切な運営が可能となります。あなた自身は安心して事業に専念できるのではないでしょうか。また、消費者からのクレームや債権回収などさまざまなトラブルを回避できるようあらかじめ準備しておくことができるだけでなく、必要に応じて法的措置の検討も可能となるでしょう。

5、まとめ

今回は、特定商取引法について、その概要や違反行為や処分内容などを中心にお伝えしました。いずれもネットショップ運営者であれば知っておくべきポイントです。

実店舗がないことから場所による制約を受けないという利点があり、気軽に運営できそうなネットショップですが、さまざまな法規制が設けられています。実際に運営者となったら、知らなかったでは済まされないことが少なくありません。あらかじめ弁護士へ相談し、適切な運営に努めることが賢明でしょう。

ベリーベスト法律事務所・川崎オフィスでは、安心してネットショップ運営ができるよう、適切なアドバイスを行います。リーズナブルな月額で気軽に相談できる環境を提供する、顧問弁護士サービスも実施しております。まずはお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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