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離婚の際の学資保険はどうする? トラブル回避のために知っておきたい対処法

2019年03月26日
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離婚の際の学資保険はどうする? トラブル回避のために知っておきたい対処法

川崎市における平成27年度の離婚件数は2564件であり、人口1000人に対し約1.74人が離婚していることになります。子育て世帯が多い地域ですから、この数値には子どもがいる世帯の離婚件数も相当数あるものと考えられます。

子どもがいる場合の離婚は親権や養育費、面会交流権が注目されがちですが、学資保険がトラブルの原因になっている事例は少なくありません。そこで、離婚時の財産分与において、学資保険の取り扱いでトラブルに発展しがちなケース、および対処法について、川崎オフィスの弁護士が解説します。

1、離婚の際に学資保険は財産分与の対象!

まず、財産分与の基本について確認しておきましょう。

夫婦は、互いに協力しあわなくてはならない「協力義務」が課せられています。この協力義務を果たしながら結婚後に形成・維持してきた財産は、実態に関係なく夫婦が互いに協力してきたことのたまものとして扱われ、夫婦の「共有財産」としています。共有財産は名義に関係なく夫婦ふたりのものですから、離婚する場合は夫婦それぞれの貢献度に応じて分配するという考え方があります。

これが財産分与であり、清算的財産分与ともいいます。また、民法第768条第1項においても離婚の際に相手方に対して財産分与を請求することができると規定しているとおり、財産分与は法律で認められている権利なのです。

財産分与は、婚姻期間中に形成された財産は不動産や預貯金などプラスの財産だけではなく、住宅ローンなどマイナスの財産も対象になります。そして、被保険者が子どもの学資保険についても婚姻期間中に夫婦のどちらかが保険料を支払っていたかに関係なく、財産分与の対象となります。これは、支払われた学資保険の保険料が夫婦の協力の結果であるものという考え方に基づいています。

なお、結婚前から夫婦が個別に所有していた財産は「特有財産」として、その維持に夫婦の協力が認められた場合を除き基本的に財産分与の対象とはなりません。また、婚姻期間中に相続や贈与で取得した財産についても、夫婦で形成・維持してきた財産とはいえないため財産分与の対象とはなりません。

したがって、保険料を結婚前の資金で支払っていた場合、親族からの贈与や相続による資金で支払っていた場合、あるいは保険料を夫婦の親が支払っていた場合は、その学資保険は解約返戻金についても財産分与の対象にはならないと考えられます。

2、学資保険の財産分与の方法について

財産分与は離婚する夫婦当事者間の合意次第であり、離婚する際は必ず財産分与しなければいけないと定めるものではありません。したがって、離婚においては学資保険に対する財産分与の有無そのものが争われることもあります。

また、民法では財産分与の割合についても明確な規定がありません。このため、夫婦で形成・維持してきた財産を貢献度に応じて公平に分けるという財産分与の基本的性質から、財産分与の割合は客観的な基準を定義しにくいという法律上のあいまいさがあります。

ただし、過去の判例や慣行面から別居時あるいは離婚成立時点における共有財産額の「2分の1ずつ」とすることが一般的です。離婚裁判でもこれを基準としていることが多く、学資保険も例外ではないと考えられます。

これを踏まえ、学資保険の財産分与の方法についてみてみましょう。

  1. (1)親権者が受け取る

    学資保険とは子どもの教育資金を確保するための保険であり、子どものための保険といっても過言ではありません。したがって、離婚後に親権者として子どもを監護する親が受け取り、契約を継続することが子どもにとってもよいでしょう。夫婦で全体的な分割割合を決めている場合は、学資保険相当分は他の財産を分与することで埋め合わせることになります。

    ただし、もし親権を取らない側が契約者であるとき、親権者が学資保険を受け取り、そのまま放置した場合、「3、学資保険の名義をそのままにしておくリスク」で解説するトラブルが生じる可能性があります。必ず親権者に名義変更しておきましょう。学資保険の契約者と親権者が同一であれば問題ありません。

  2. (2)解約する

    離婚時点で学資保険を解約し、その解約返戻金を分割する方法です。

    分割割合さえ合意していれば、その分割割合に応じた金銭を分けあうだけなので、もっとも客観的かつトラブルが生じにくいと考えられます。しかし、加入期間によっては途中解約することで、解約返戻金がこれまで支払ってきた保険料よりも少なくなってしまう学資保険は多いものです。また、既存の学資保険をいったん解約し、離婚後に改めて学資保険に加入しようとしても、子どもの年齢次第では保険料が上がってしまったり新規加入ができなかったりすることがあります。

    ただし、積み立て型のように保険料の支払いが残っている場合は、財産分与とは別の視点で解約するか否かを検討する必要があります。積み立て型の学資保険の多くは、保険料を満期まで払い続けないと解約返戻金が元本割れを起こすものが少なくないようです。したがって、その学資保険を仮に親権者が解約せず引き取った場合、元本割れを避けるためにはその後も継続して保険料を支払い続ける必要があります。

    多くのひとり親家庭でみられるように離婚後に収入が大幅にダウンし、この保険料の支払いすらも家計を相当に圧迫すると考えられる場合もあるでしょう。その際は、多少の元本割れがあるとしても解約を視野に入れざるを得ません。月々の保険料や満期までの期間を考慮しながら、解約についても検討してみてください。

3、学資保険の名義をそのままにしておくリスク

離婚をしても、学資保険は契約者が保険会社に対して学資保険の名義変更の手続きをしない限り、当初の契約は法律上継続します。

そのような背景もあり、「親権はなくなるけど、子どもの進学のためにせめて学資保険は払い続けてあげたい……」、「名義変更なんて面倒だから、夫(妻)の名義にしておこう」というような考えを持つ方も多くいらっしゃるでしょう。その結果、離婚したにもかかわらず学資保険の名義を親権者に変更しないケースがあります。

しかし、親権者、非親権者に関係なく、離婚後に学資保険の契約者名義・受取人名義を非親権者から変更しなかったことにより、前述どおり、以下のトラブルが発生する可能性があります。特に、学資保険の契約者名義が親権を持たない「非親権者」のままで、親権者となった側が保険料を支払い続けているケースでは注意が必要です。

  • 非親権者が学資保険を勝手に解約し、解約返戻金を持ち逃げしてしまう
  • 心境や経済事情の変化により保険契約を失効させてしまう
  • 保険会社から満期保険金や祝い金が出ても、非親権者が自分のものとしてしまう


せっかく子どもの教育プランのために書けた保険なのですから、満期になった際は、スムーズに子どものために使えるようにしておく必要があります。契約者名や受取人の名義は、必ず親権者や子ども本人へ変更しておきましょう。

離婚の際、学資保険の名義を親権者に適切に変更しておかなかったことにより、満期保険金や祝い金のタイミングで期待していたお金が受け取れなくなるリスクがあるのです。

4、学資保険の名義を変更する方法

学資保険の名義変更は、現契約者である非親権者の同意を得ることから始まります。これがなければ先に進めませんので、夫婦間での協議や調停では早いうちに離婚条件として提示するようにしてください。

なお、学資保険の名義人は契約者だけはでなく必ず受取人も変更することを忘れないようにしてください。もし契約者と受取人が同一名義ではない場合、祝い金や満期金を受け取る際に受け取る際に贈与税を発生する可能性があります。

  1. (1)非親権者の同意を取る

    学資保険は、非親権者と保険会社の間における、決められた期間に決められた額の保険料を納め特定の事由が生じたら保険会社が保険金を支払うという内容の契約で成り立っています。したがって、非親権者名義の学資保険を解約せず親権者に変更することは、非親権者の同意が必要なのです。

    離婚するわけですから、そのような協力すら嫌だと考える非親権者がいるかもしれません。特に親権者が離婚原因を作った有責配偶者であったり、話し合いそのものがこじれてしまったりしていて、感情的にも泥沼のような状態の離婚では、たとえ子どものためでも報復的に名義変更を拒否してくる非親権者もいるでしょう。

    しかし、それでも学資保険を重視するのであれば、慰謝料や財産分与の減額を提示してでも非親権者の同意を得なくてはならないのです。

  2. (2)記録に残しておく

    離婚に合意したのであれば、その条件などを明記した公正証書を作ることをおすすめします。学資保険の名義人変更について、調停証書は強制執行をすることができません。しかし、非親権者が名義変更に合意した場合はそれを公正証書に明記しておくことで、その履行に対する心理的な圧迫感を与えることが期待できます。

    また、非親権者から学資保険の名義変更について合意を得られないものの、保険料の支払いを養育費の一部として支払うとの合意を得た場合は、その旨は公正証書に残しておきましょう。金銭の支払いについて公正証書は法的拘束力が強く、仮に非親権者側が保険料の支払いを滞らせた場合は裁判所に申し立てることで強制執行できます。ただし、この場合でも、途中で非親権者が満期保険金などを持ち逃げするリスクは否めません。

  3. (3)保険会社に連絡する

    学資保険の名義変更については、契約者が能動的に動かない限り保険会社の方から手続きを案内してくることはありません。

    非親権者が学資保険の名義変更に合意した場合は、必要な書類など変更手続きの説明を受けるために、まず保険会社に一報してください。

  4. (4)保険会社に必要書類を提出する

    保険会社や学資保険の種類にもよりますが、名義変更には一般的に以下の書類が必要になります。

    • 保険証券
    • 現保険契約者(非親権者)および新保険契約者(親権者)の運転免許証、健康保険証など本人確認書類
    • 保険会社所定の変更手続き申込書や通知書
    • 委任状(名義変更には同意しているものの、心情面などで非親権者が自ら手続きを行わない場合)

5、離婚問題を弁護士に依頼するメリット

離婚に伴う財産分与について、学資保険をどうするか話し合いがまとまらない場合は、弁護士に相談してみることをおすすめします。

離婚問題の解決に実績豊富な弁護士であれば、学資保険に限らず法的なアドバイスを行います。さらには、相手方が感情的になっていたとしてもあなたの代理人として冷静に相手方と交渉することができます。合理的な条件による離婚が期待できます。

6、まとめ

離婚に伴う財産分与は、離婚が成立した日から2年を経過すると時効となり請求できなくなります。特に、学資保険は子どもの進学費用に直結する話となり、保険料の支払総額も大きくなりがちです。離婚の話が出たら、早いうちから相手方とまとめておきましょう。

万が一、話し合いが難航しそうなときは、できるかぎり早急に弁護士に相談することを検討してください。ひとりで抱え込んでしまうと、事態を解決することは非常に難しくなってしまうものです。まずはベリーベスト法律事務所 川崎オフィスへ相談してください。離婚問題に対応した実績が豊富な弁護士が、あなたにとってよりベストな解決ができるよう、アドバイスします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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