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雇用契約書と労働条件が違う! 取るべき対応と相談先を解説

2023年03月13日
  • その他
  • 雇用契約書と違う
雇用契約書と労働条件が違う! 取るべき対応と相談先を解説

川崎市役所が公表する「主要労働経済指標」によると、神奈川県の有効求人倍率に関して、令和3年度平均は0.80でした。この数値は、有効求人数よりも有効求職者数が多いということを示しているものです。

実際の労働問題としては、労働条件が雇用契約書(または労働契約書・労働条件通知書)の内容と違うことがあります。この場合、企業側は契約違反および労働基準法違反となります。

このような問題に出くわしたら、労働基準監督署や弁護士に相談しながら、会社に労働条件の適正化を求めましょう。本コラムでは、労働条件が雇用契約書(労働契約書)と違うときの違法性や対処法などについて、ベリーベスト法律事務所 川崎オフィスの弁護士が解説します。

1、雇用契約書とは?

雇用契約書とは、使用者(経営者や事業主など)と労働者が締結する、個別の労働条件などを定めた契約書です。

たとえば、以下に記載の事項などが雇用契約書において定められます(労働基準法15条1項、労働基準法施行規則5条1項)。

  • 就業場所
  • 業務の内容
  • 始業時刻、終業時刻
  • 残業の有無
  • 休憩
  • 休日
  • 休暇(有給休暇に関する事項を含む)
  • 賃金の額、計算方法、締め日
  • 昇給
  • 解雇事由
  • 各種手当
など


労働契約を締結するのは、労働条件を明確化することにより、労使間のトラブルを防ぐためです。また、実際に労使トラブルが発生した際には、締結している労働契約の内容が紛争解決の基準として働きます。

なお、雇用契約書と並んで、労働条件などの会社全体のルールを定めているものが就業規則です。
雇用開始前から定められている就業規則の内容は、雇用開始時に労働条件の一部となって労働者に適用されます。言い換えれば、就業規則の内容が労働契約の一部になるということです。

これに対して、雇用開始後に改定・新設された就業規則の内容は、当然に労働者に対して適用されるわけではありません。

会社側が、労働者に対して不利益になるような内容で就業規則変更を適用したいときは、労働者の同意を得るか、または不利益変更の要件を満たすことが必要とされています。
不利益変更の要件とは、変更後の就業規則を労働者に周知させること、就業規則の変更に合理性があることの2つです(労働契約法第9条、第10条)。

2、実際の労働条件が雇用契約書と違うのは違法?

雇用契約書に記載された労働条件と実際の労働条件が異なる場合、会社側の契約違反および労働基準法違反が成立する可能性が高いです。

  1. (1)契約違反かつ労働基準法違反にあたる

    雇用契約書に記載されている労働条件を、実際の労働条件が充たしていない場合、会社側は契約違反をしていることになります。

    また、労働基準法第15条第1項では、使用者は労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金・労働時間その他の労働条件を明示しなければならないとされています。
    会社が労働者に正しい労働条件を明示していない場合、上記の労働条件の明示義務を怠っているため、労働基準法違反にも該当します。

    実際の労働条件が会社から契約時に明示された労働条件と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除することが可能です(同条第2項)。

    この場合において、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除日から14日以内に帰郷するときは、会社は必要な旅費を負担しなければなりません(同条第3項)。

  2. (2)実際の労働条件が雇用契約書と違う違法事例

    雇用契約書に記載されている労働条件を、実際の労働条件が下回る違法事例をいくつか紹介します。

    <労働条件の違法事例>
    • 契約書には単に「基本給月25万円」と記載されていたのに、実際には30時間残業しなければ月25万円に達しなかった
    • 契約書には転勤がない旨が記載されていたのに、実際には転勤を命じられた
    • 契約書には残業がない旨が記載されていたのに、実際にはサービス残業を命じられた
    • 契約書には「テレワーク可」と記載されていたのに、実際にはテレワークが一切認められなかった


    このように、雇用契約書と違うことがある場合は「違法である」ということを理解して、正しく対処することを考えていきましょう。

3、実際の労働条件が雇用契約書と違う場合の対処法

雇用契約書に記載されている労働条件に対して、実際の労働条件が下回っている場合、協議・労働審判・訴訟などを通じて対応しましょう。
ただし、すべての対応をご自身で行うことは通常難しいものであるため、労働基準監督署や弁護士に相談することをおすすめいたします。

  1. (1)契約との違いを指摘して、会社と協議する

    まずは、会社側の認識や態度を確認するためにも、雇用契約書の記載と実際の労働条件が相違していることを指摘して是正を求めましょう

    労働基準法を遵守する意識のある会社であれば、労働者の指摘を受けて相違点を認識した場合、直ちに是正に動くでしょう。これに対して、遵法意識のない会社の場合、労働者の指摘を受けても開き直り、まともに取り合わない可能性が高いです。

    もし会社が誠実な対応を行わない場合は、労働基準監督署や弁護士に相談しながら対応を検討しましょう。

  2. (2)労働基準監督署に相談する

    労働基準監督署は、各会社が労働基準法を遵守しているかどうかを監督する行政機関です。全国の各市区町村に設置されています。
    参考:「全国労働基準監督署の所在案内」(厚生労働省)

    前述のとおり、雇用契約書に記載されている労働条件を実際の労働条件が下回っていることは、会社の労働基準法違反にあたるため、労働基準監督署による規制の対象です。
    労働者が会社の労働基準法違反について申告を行えば、労働基準監督署は臨検調査などを行った後、行政指導や刑事処分を通じて是正を図ってくれるでしょう。

    ただし、労働基準監督署は労働者の代理人ではないため、労働者個人の権利・利益のために直接行動してくれるわけではありません。

    未払い残業代の請求など、労働者としてのご自身の権利を行使したい場合には、弁護士への相談がおすすめです。

  3. (3)弁護士に相談する

    弁護士は労働者の代理人として、会社の契約違反・労働基準法違反によって損なわれた労働者の権利・利益を回復するために、会社に対して直接的なアプローチを行います。

    そのため、会社の労働基準法違反による労働者の損害を、早期に回復できる可能性が高まる点が、弁護士に依頼することの大きなメリットです。

4、労働問題に関する会社とのトラブルは弁護士に相談を

労働条件などに関する会社とのトラブルを早期に、適切な形で解決したい場合には、弁護士への相談することがおすすめです。

  1. (1)労働問題について弁護士ができるサポート

    弁護士は、会社による違法・不当な行為によって損害を被った労働者のために、以下のサポートを通じて権利の回復を目指します。

    1. ① 会社との交渉の代理
      労働者に代わって、会社との間で労働条件の是正や未払賃金の支払いなどに関する交渉を行います。法律の専門家である弁護士が、労働契約や労働基準法の明確な根拠に基づいた法的な主張を掲げて交渉することで、適正な条件による和解を実現できる可能性が高まります。

    2. ② 労働審判の代理申し立て
      協議によって労働問題を解決できない場合は、弁護士が労働者を代理して労働審判の申し立てを行います。
      参考:「労働審判手続」(裁判所)

      労働審判は、裁判官1名と労働審判員2名で構成される労働審判委員会が、調停または審判を通じて労働問題の解決を図る手続きです。この手続きでは、3期日以内という短期間で審理が行われるため、端的でわかりやすい書面等の提出を行うことが大切です。
      弁護士が法的根拠に基づく主張を行うことで、労働審判委員会に良い心証を与え、有利な解決を得られる可能性が高くなるでしょう。

    3. ③ 訴訟の代理追行
      労使の主張がかけ離れていて、労働問題の解決が困難な場合は、弁護士が代理人として、会社に対する訴訟を提起します。
      専門性が高い訴訟手続きについても、弁護士に依頼すれば、ストレスなくスムーズに進行することが可能です。また、労働契約・労働基準法の内容を踏まえて、証拠に基づく主張を理路整然と行うことで、労働者に有利な判決を得られる可能性が高まると言えるでしょう。
  2. (2)労働問題について弁護士に相談するメリット

    弁護士は労働基準監督署と異なり、依頼者である労働者個人のために行動すべき立場にあります。依頼者の権利を実現するために多角的な方法を検討し、それらを迅速に実行して対応するため、早期の権利回復が期待できるでしょう。
    また、弁護士が窓口となることにより、依頼者は相手方や裁判所との煩雑なやり取りを行わずに済みます。

    労働基準監督署は、労働者の主張どおりに調査・処分を行ってくれるとは限りません。また、使用者に対して、特定の労働者へ「未払い残業代を支払え」などということを義務付けることもありません。

    これに対して弁護士は、あくまでも依頼者である労働者の権利を守るために行動するため、依頼直後から速やかに対応へと着手します。

    雇用契約書によって見栄えの良い労働条件を提示しておきながら、実際にはその労働条件を遵守しない会社の行為は、悪質であって許すことはできません。

    雇用契約書と違っている労働条件について、直ちに会社に対して是正を求めたい場合は、すぐにでも弁護士へご相談ください。

5、まとめ

実際の労働条件が雇用契約書と違う場合、会社による契約違反および労働基準法違反にあたる可能性が高いです。弁護士のサポートを受けながら、協議・労働審判・訴訟などを通じて、会社に対して労働条件の是正や金銭の支払いなどを求めましょう。

ベリーベスト法律事務所は、会社とのトラブルなどに関して、労働者の方からのご相談を随時受け付けております。労働問題を豊富に取り扱っている弁護士・スタッフが一丸となって、お客さまの権利を早期に、かつ適切な内容で実現・回復できるように誠心誠意サポートいたします。

会社における労働条件が雇用契約書の内容と異なり、不当な搾取を受けているのではないかとお悩みの方は、ベリーベスト法律事務所 川崎オフィスまでご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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