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【後編】遺産分割協議に期限はある? 相続手続きで注意しておくべき点とは

2019年05月28日
  • 遺産分割協議
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【後編】遺産分割協議に期限はある? 相続手続きで注意しておくべき点とは

川崎市のホームページでは、遺産相続について相談できる窓口について案内しています。ただし、相手との交渉や実務に対応してもらえるわけではなく、相談に対する法的助言にとどまるため、抱えている相続問題を解決させることは非常に難しいでしょう。

そこで前編では、相続手続きの大まかな流れについて解説しました。相続開始日を被相続人が亡くなった日として、期限が決められている手続きがいくつも存在します。つつがなく相続を行うためにも、スムーズな遺産分割協議は欠かせません。

後半は、遺産分割協議の期限から、始めるタイミング、よくあるトラブルと回避方法について、引き続き川崎オフィスの弁護士が解説します。

2、遺産分割協議に期限はある?

遺産分割協議には、合意に至るまでの期限に関する法的な規定はありません。

ただし、相続税の申告・納税期限は、被相続人が亡くなり相続が発生した日の翌日から起算して10ヶ月以内と決められています。たとえ遺産分割協議がまとまっていなかったとしても、それを理由にこの期限が延長されることはありません。

相続税の申告・納税期限までに遺産分割協議が調わず、遺産分割ができていない「未分割」の状態である場合、いったん法定相続割合で各相続人に遺産分割がなされたものと仮定し、期限までに相続人それぞれが相続税を申告・納付することになります。

これにより、税務上のデメリットや余計な手間が生じることになります。

まず、未分割の状態では「小規模宅地等の特例(一定の条件の下に、土地の相続財産評価額が最大で80%減額)」および「配偶者の税額軽減の特例(相続財産1億6000万円に満たない部分について、相続税額ゼロ)」の適用を受けることができません。このため、遺産分割協議が調っており各特例の適用を受けることができてる場合と比べて、相続税額が高くなることがあるのです。

ただし、相続税申告・納税の時点で小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減の特例が適用できなかったとしても、税務署に「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出したうえで原則3年以内に遺産分割協議が調えば、これらの特例の適用を受けることができます。また、たとえ3年以内に遺産分割協議が調わなかったとしても、税務署に「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出し承認されれば、さらに上記特例適用の延長が可能です。しかし、これらの手続きは相応の手間を要します。

また、未分割の遺産は相続人全員の共有となりますので、他の相続人全員の同意が得られていないと遺産の一部であろうと勝手に処分したり、使ったりすることができません。このため、相続税の納税資金が不足する場合は物納することも不可能になります。

遺産分割協議に期限はないといっても、相続人間における共有状態の解消や今後の相続税申告・納付などを考慮すると、いつまでも放置したままにしておくことはできないのです。

3、遺産分割協議はいつからはじめるべきか

相続税の申告・納税期限と未分割のデメリットを考えると、遺産分割協議はできるかぎり早めにはじめるべきと考えられます。しかし、それは遺言や被相続人の財産の全容、および相続人を特定する調査が漏れなく行われているということが前提です。

遺産分割協議がまとまったあとで新たな財産や相続人が見つかった場合は、遺産分割協議の合意内容が無効となったり、あるいは一部についてやり直しになったりすることがあります。合意したはずが納得できなかったという相続人が遺留分減殺請求を行えば、再び話し合いや調停、場合によっては裁判に至ることになるでしょう。また、執行者が指定されている遺言書が見つかり、その執行者が遺言の内容と異なる遺産分割に反対した場合は、遺産分割協議の合意事項そのものが無効となってしまいます。

遺産分割協議のやり直しは、相続人全員にとって手間がかかるものです。また、相続税の申告・納付後に再度の遺産分割協議をした結果によって、相続税額が増加する人は追加の相続税を支払う「修正申告」、相続税額が減る人は払い過ぎた相続税の還付である「更生」の請求を行う必要が生じてしまいます。

遺産分割協議の開始に、焦りは禁物です。遺産分割協議は前提となる各種の調査をしっかりと行ってからはじめるようにしましょう。

4、遺産分割でよくあるトラブル

  1. (1)遺産分割協議がまとまらないケース

    遺産分割協議は、各相続人の利益が相反するものです。

    たとえ被相続人の生前は仲がよい親族同士でも、遺産分割協議という遺産の取り分を決める話し合いに直面すると、状況が異なります。相続割合などをめぐって争いごとになってしまうことがあるのです。

    遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所における遺産分割調停または遺産分割審判、あるいは両方により解決を目指すことになります。なお、日本では「調停前置主義」が採用されていますが、遺産分割に関する事案については調停を経ずに最初から審判を受けることが可能です。また、遺産分割の割合を決めるについては、訴訟つまり裁判が存在しません。

    遺産分割調停では、家庭裁判所が選出した調停員を介して利害関係にある相続人と話し合い、遺産分割協議の成立を目指します。

    また、遺産分割審判とは家庭裁判所の裁判官主導による遺産分割であり、これにより下された決定事項が最終的な結論になります。基本的に法定相続割合による分割割合という審判が出ることになるとお考えください。

    なお、遺産分割審判の結果に納得がいかないのであれば、「即時抗告」を行うことで上級裁判所による審判を申し立てることができます。

  2. (2)相続人が見つからないケース

    遺産分割協議には相続人全員が何らかの形で参加し、合意する必要があります。もし相続人の一部を除外して遺産分割協議を成立させた場合、その遺産分割協議は全部または一部が無効となってしまいます。

    しかし、遺産分割協議を行う段階になっても一部の相続人の居所が不明であったり、生死すら不明だったりする場合があります。それにもかかわらず、行方不明となっている相続人を放置して遺産分割協議を進めると、後日に当該相続人が現れて遺産分割無効の主張がなされた場合は、再度の遺産分割協議を行う必要が生じてしまいます。

    もし十分に調査したのにもかかわらず行方不明の相続人がいる場合は、当該相続人が失踪宣告の要件を満たしている場合は失踪宣告を行い、死亡したという法律効果を発生させます。単なる不存在など、失踪宣告の要件を満たしていない場合は、家庭裁判所に不在者財産管理人選任の申し立てを行い、この不在者財産管理人との間で遺産分割協議を行うことになります。

5、まとめ

今後あなたが取得できる遺産の額を決める遺産分割協議は、一連の相続手続きのなかでも大きなヤマ場です。また、遺産分割協議は相続人間における骨肉の争いの発火点ともなりかねません。スムーズかつ無難に終わらせるためにも、遺産分割協議には入念な準備のもと慎重に臨むべきなのです。

そのようなあなたの心強い味方となるのが、弁護士です。まずは、相続全般について知見のある弁護士であれば、遺産分割協議にあたっての法的なアドバイスを受けることができます。さらには、他の相続人とトラブルになった際もあなたの代理人として問題解決に動くことを依頼することも可能です。遺産分割協議は、話がこじれてからでは解決が難しくなる傾向があります。ぜひベリーベスト法律事務所・川崎オフィスの弁護士まで、お早めにご相談ください。

ご注意ください

「遺留分減殺請求」は民法改正(2019年7月1日施行)により「遺留分侵害額請求」へ名称変更、および、制度内容も変更となりました。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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